Clinical Trial

WJTOG3405

肺癌

Gefitinib versus cisplatin plus docetaxel in patients with non-small-cell lung cancer harbouring mutations of the epidermal growth factor receptor (WJTOG3405): an open label, randomised phase 3 trial

Mitsudomi T, Morita S, Yatabe Y, et al. Lancet Oncol. 2010;11(2):121-128. [PubMed]

第3相一次治療PublishedUpdated May 2026
PubMed

主要結果サマリ

PFS中央値9.2ヶ月 vs 6.3ヶ月
PFS HR0.489
OS中央値30.9ヶ月 vs 未到達
OS HR1.638
奏効割合62.1% vs 32.2%
登録例数177例

基本情報

対象疾患EGFR陽性非小細胞肺癌
治療ライン一次治療
研究の相第3相
主要評価項目無増悪生存期間
実施地域日本
日本の参加あり
試験名WJTOG3405
レジメンゲフィチニブ vs シスプラチン+ドセタキセル
登録期間2006年3月31日〜2009年6月22日

背景

非小細胞肺癌(NSCLC)のうち、上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)遺伝子変異陽性例は約30-50%を占める。EGFR遺伝子変異陽性例に対して、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の有効性が複数の早期試験で示されていたが、この試験が開始された時点では、従来の標準治療であるプラチナ併用化学療法とのランダム比較試験は行われていなかった。本試験は、未治療EGFR陽性非小細胞肺癌の患者を対象として、第一世代EGFR-TKIであるゲフィチニブ(GEF)と、従来の標準治療であるプラチナ併用化学療法を比較した多施設共同無作為化非盲検の第3相試験である。

シェーマ

WJTOG3405試験シェーマ

日本非盲検第3相1:1

対象患者

EGFR遺伝子変異陽性 非小細胞肺癌

n=177
非盲検
R
1:1

GEF群

ゲフィチニブ 250mg

1日1回

n=88

化学療法群

シスプラチン 80mg/m² day 1
+ ドセタキセル 60mg/m² day 1

3週毎

n=89

主な適格基準

1EGFR遺伝子変異陽性
2未治療
3IIIB/IV期または術後再発

統計学的事項

主要評価項目:無増悪生存期間

本試験はEGFR遺伝子変異陽性例において、シスプラチン(CDDP)+ドセタキセル(DOC)併用療法(化学療法)を対照群としてGEFの優越性を検証した第3相試験である。過去の試験結果から、無増悪生存期間(PFS)中央値をGEF群12.5ヵ月、化学療法群7ヵ月 (ハザード比 0.56) と仮定し、両側α=0.05、検出力=90%と設定すると必要なイベント数は計146、必要症例数は計200例となった。

試験結果

試験の途中で、同様のデザインであるNEJ002試験やIPASS試験の結果が報告され、ハザード比0.48、必要イベント数 78に変更され、症例登録も中止し、最終解析が計画された。

2006年3月31日〜2009年6月22日の期間に36施設より177例が登録され、GEF群には88例、化学療法群には89例が割り付けられた。

追跡期間中央値は81日 (範囲 74-1253日)であり、GEF群の投与期間中央値は165日、化学療法群の投与サイクル数中央値は4サイクルであった。

del19変異の割合は、GEF群 58%、化学療法群43%とGEF群で高かった。その他、両群間で、患者背景に明らかな差は認められなかった。

1. 無増悪生存期間(主要評価項目)

 中央値95%信頼区間(CI)
HR0.48995%CI: 0.336-0.710p < 0.0001
GEF群9.2ヶ月8.0 – 13.0ヵ月
化学療法群6.3ヶ月5.8 – 7.8ヵ月

2. 全生存期間

 中央値95%CI
HR1.63895%CI: 0.749-3.582p = 0.211
GEF群30.9ヶ月24.1ヵ月-NA
化学療法群未到達15.0ヵ月-NA

3. 奏効割合

 奏効割合
p値p < 0.0001
GEF群62.1%
化学療法群32.2%

4. 有害事象

 GEF群(N=87)化学療法群(N=88)
 全GradeGrade≥3全GradeGrade≥3
皮疹74270
AST増加6114171
ALT増加6124352
皮膚乾燥47030
下痢471350
疲労342732
爪囲炎28110
口内炎190130
悪心151833
便秘140390
好中球数減少708174
血小板数減少120290
貧血3307915

GEF群で最も多く認められた有害事象は皮疹で、次いで肝障害、皮膚乾燥、下痢であった。

化学療法群で最も多く認められた有害事象は悪心、骨髄抑制、疲労、脱毛であった。

GEF群の2例で間質性肺疾患を認め、1例が死亡した。一方、化学療法群では治療関連死亡は認めなかった。

5. サブ解析:無増悪生存期間(GEF群 vs 化学療法群)

  症例数ハザード比95%信頼区間
全体 1720.4890.336-0.710
性別女性1190.4180.267–0.654
 男性530.6710.337–1.334
喫煙歴なし1180.4660.297–0.732
 あり540.5750.294–1.123
病期術後再発710.5740.313–1.052
 IIIB/IV期1010.3330.203–0.544
遺伝子変異Del19870.4530.268–0.768
 L858R850.5140.294–0.899

結語

未治療EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者において、GEFはプラチナ併用化学療法と比較して無増悪生存期間の有意な延長を示した。本試験の結果により、GEFはEGFR遺伝子変異陽性NSCLCの標準治療の一つとなり得ることが示された。

執筆・監修

執筆:静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科 レジデント 宮脇 太一 先生 監修:静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科 医長 和久田 一茂 先生

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