Clinical Trial

ABC-02

胆道癌

Cisplatin plus gemcitabine versus gemcitabine for biliary tract cancer.

Valle J, Wasan H, Palmer DH, Cunningham D, et al. N Engl J Med. 2010 Apr 8;362(14):1273-81. [PubMed]

第3相一次治療Published
PubMed

主要結果サマリ

OS中央値11.7 vs 8.1ヶ月
PFS中央値8.0 vs 5.0ヶ月
病勢制御割合81.4% vs 71.8%

基本情報

項目内容
対象疾患胆道癌
治療ライン一次治療
研究の相第3相
主要評価項目全生存期間
実施地域英国
日本の参加なし
試験名ABC-02
レジメンゲムシタビン+シスプラチン vs ゲムシタビン
登録期間2002年2月〜2008年10月

背景

進行胆道癌は化学療法が奏効する可能性があると考えられていたが、ランダム化試験は行われておらず、標準治療が確立していなかった。ゲムシタビンは膵癌への有効性が報告されて以降、胆道癌に対しても多く用いられるようになっており、シスプラチンは肺癌や膀胱癌などで、ゲムシタビンとの相加または相乗効果が報告されていた。

進行胆道癌に対するゲムシタビンとシスプラチン併用療法の第2相試験(ABC-01)において、無増悪生存期間の延長が示されたため、ゲムシタビン単剤とのランダム化第3相試験の実施へと移行した。

シェーマ

ABC-02 シェーマ

進行胆道癌
n=410
R
非盲検 / 1:1 / 優越性試験
ゲムシタビン+シスプラチン(n=204)
ゲムシタビン 1000mg/m² Day 1, 8
シスプラチン 25mg/m² Day 1, 8
3週毎
ゲムシタビン(n=206)
ゲムシタビン 1000mg/m² Day 1, 8, 15
4週毎
主な適格基準
1)切除不能または術後再発または遠隔転移を有する
2)肝内胆管癌、肝外胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌
3)ECOG PS 0-2
4)18歳以上
5)eGFR ≥45 mL/min

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

本試験はゲムシタビン群の生存期間中央値を8ヶ月、ゲムシタビン+シスプラチン群の生存期間中央値を11ヶ月となることを検証する優越性試験として設計され、 3年間の登録・最終登録から6ヶ月間の経過観察期間のもと、検出力80%、両側α=0.05として、354例の登録・315イベントが必要と設定された。脱落例を見込んで、400例の登録を目標とした。

試験結果

2002年2月から2008年10月に英国の37施設で410例が登録された。

全例がITT解析の対象となり、安全性については、未投与症例を除いたゲムシタビン+シスプラチン群198例、ゲムシタビン群199例を対象に解析された。

観察期間中央値は8.2ヶ月、327例の死亡発生時点で解析された。

患者背景に、大きな隔たりは認められなかった。

1. 全生存期間(主要評価項目)

中央値95%信頼区間
ゲムシタビン+シスプラチン11.7ヶ月9.5-14.3
HR 0.64
(95%C.I. 0.52-0.80)
p<0.001
ゲムシタビン8.1ヶ月7.1-8.7

2. 無増悪生存期間

中央値95%信頼区間
ゲムシタビン+シスプラチン8.0ヶ月6.6-8.6
HR 0.63
(95%C.I. 0.51-0.77)
p<0.001
ゲムシタビン5.0ヶ月4.0-5.9

3. 病勢制御割合

病態制御割合
ゲムシタビン+シスプラチン81.4%
p=0.049
ゲムシタビン71.8%

4. 有害事象(Grade 3以上, NCI-CTCAE ver 3.0)

ゲムシタビンゲムシタビン+シスプラチンp値
血液毒性47 (23.6%)64 (32.3%)0.05
白血球減少19 (9.5%)31 (15.7%)0.07
血小板減少13 (6.5%)17 (8.6%)0.44
貧血6 (3.0%)15 (7.6%)0.04
好中球減少33 (16.6%)50 (25.3%)0.03
非血液毒性100 (50.3%)108 (54.3%)0.39
脱毛02 (1.0%)0.16
食欲不振5 (2.5%)6 (3.0%)0.75
疲労33 (16.6%)37 (18.7%)0.58
悪心7 (3.5%)8 (4.0%)0.78
嘔吐11 (5.5%)10 (5.1%)0.65
腎機能障害2 (1.0%)3 (1.5%)0.83
発熱性好中球減少症14 (7.0%)20 (10.1%)0.28

結語

進行胆道癌において、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法はゲムシタビン単剤に比べて、有意に生存期間を延長した。ゲムシタビン+シスプラチン併用療法は、進行胆道癌の標準治療の一つである。

執筆・監修

執筆:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 小林 智 先生 監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 上野 誠 先生

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