Clinical Trial

ACCORD 11

膵癌

FOLFIRINOX versus Gemcitabine for Metastatic Pancreatic Cancer.

Conroy T., Desseigne F., Ychou M. et al. N Engl J Med 2011; 364: 1817-25. [PubMed]

第2/3相一次治療Published
PubMed

主要結果サマリ

PFS中央値6.4ヶ月 vs 3.3ヶ月
PFS HR0.47
PFS p値<0.001
OS中央値11.1ヶ月 vs 6.8ヶ月
OS HR0.57
OS p値<0.001
ORR31.6% vs 9.4%
DCR70.2% vs 50.9%

基本情報

項目内容
対象疾患膵癌
治療ライン一次治療
研究の相第2/3相
主要評価項目第2相:有効性\n第3相:全生存期間
実施地域海外(フランス)
日本の参加なし
試験名ACCORD11
レジメンFOLFIRINOX vs ゲムシタビン
登録期間2005年12月〜2009年10月

背景

前臨床研究で、イリノテカンはフルオロウラシルとロイコボリンの前に投与すると相乗効果を持つことが示されている。オキサリプラチンはフルオロウラシルとの併用でのみ、膵癌に対する臨床効果を持ち、in vitroでイリノテカンとの相乗効果が示されている。

フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチンの併用レジメンは、第1相試験において、膵癌に対して抗腫瘍効果を示した。PS良好な膵癌に対して、FOLFIRINOXレジメンの第2相試験が実施され、有望な治療効果が示されたため、今回のランダム化第2/3相試験(ACCORD11試験)の実施に至った。

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間(第3相パート)

本試験の第3相パートはGEM群を対照としてFOLFIRINOX群の全生存期間のハザード比が0.70となることを検証する優越性試験として設計され、検出力80%、両側α=0.05として、360例の登録・250イベントが必要と設定された。

試験結果

2005年12月から2009年10月にフランスの48施設から342例が登録された。

最終解析のデータカットオフは、2010年4月に行われた。

患者背景に大きな隔たりは認めなかったが、FOLFIRINOX群では肺転移が有意に少なかった(19.5% vs. 28.7%, P=0.05)。

1. 全生存期間(第3相 主要評価項目)

FOLFIRINOXはGEMと比較して、全生存期間を有意に延長した。

群中央値95%信頼区間12ヶ月生存割合HR / p値
FOLFIRINOX(n=171)11.1ヶ月9.0-13.148.4%
HR 0.57
95%C.I. 0.45-0.73
p<0.001
GEM(n=171)6.8ヶ月5.5-7.620.6%

2. 無増悪生存期間

FOLFIRINOXはGEMと比較して、無増悪生存期間を有意に延長した。

群中央値95%信頼区間6ヶ月PFS割合12ヶ月PFS割合HR / p値
FOLFIRINOX(n=171)6.4ヶ月5.5-7.252.8%12.1%
HR 0.47
95%C.I. 0.37-0.59
p<0.001
GEM(n=171)3.3ヶ月2.2-3.617.2%3.5%

3. 奏効割合

FOLFIRINOXはGEMと比較して、奏効割合を有意に改善した。

群奏効割合p値
FOLFIRINOX(n=171)31.6%(CR 1, PR 53)p<0.001
GEM(n=171)9.4%(PR 16)

4. 病勢制御割合

FOLFIRINOXはGEMと比較して、病勢制御割合を有意に改善した。

群病勢制御割合p値
FOLFIRINOX(n=171)70.2%(CR 1, PR 53, SD 66)p<0.001
GEM(n=171)50.9%(PR 16, SD 71)

5. 有害事象

FOLFIRINOX群ではGEM群と比較して、Grade 3以上の好中球減少、発熱性好中球減少、血小板減少、疲労、嘔吐、下痢、感覚性ニューロパチーなどの発現割合が高かった。

有害事象FOLFIRINOX(n=171)
Grade 3以上
GEM(n=171)
Grade 3以上
好中球減少75/164 (45.7%)35/167 (21.0%)
発熱性好中球減少9/166 (5.4%)2/169 (1.2%)
血小板減少15/165 (9.1%)6/168 (3.6%)
貧血13/166 (7.8%)10/168 (6.0%)
疲労39/165 (23.6%)30/169 (17.8%)
嘔吐24/166 (14.5%)14/169 (8.3%)
下痢21/165 (12.7%)3/169 (1.8%)
感覚性ニューロパチー15/166 (9.0%)0/169
ALT上昇12/165 (7.3%)35/168 (20.8%)
血栓塞栓症11/166 (6.6%)7/169 (4.1%)

結語

本試験の結果、FOLFIRINOXはゲムシタビンと比較し、毒性の発現は高かったが、生存の優越性を示した。FOLFIRINOXはPS良好の転移性膵癌患者に対する治療のオプションである。

執筆・監修

執筆:杏林大学 腫瘍内科学 助教 岡野 尚弘 先生

監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科・外科(肝胆膵) 部長 上野 誠 先生

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