Clinical Trial

IFCT-0501

肺癌

Carboplatin and weekly paclitaxel doublet chemotherapy compared with monotherapy in elderly patients with advanced non-small-cell lung cancer: IFCT-0501 randomised, phase 3 trial.

Quoix E, Zalcman G, Oster JP, et al. Lancet. 2011;378(9796):1079-1088.

第3相一次治療PublishedUpdated May 2026
PubMed

主要結果サマリ

OS中央値10.3ヵ月 vs 6.2ヵ月
OS HR0.64
PFS中央値6.0ヵ月 vs 2.8ヵ月
PFS HR0.51
奏効割合27.1% vs 10.2%
登録例数451例

背景

進行非小細胞肺癌に対するプラチナ併用療法の第3相試験において、高齢者のサブグループ解析ではプラチナ併用療法の全生存期間は、高齢者と若年者で変わらない可能性が示唆されている。パクリタキセル90 mg/m²を1日目、8日目、15日目に投与し、1日目にAUC 6のカルボプラチンを4週間毎に投与した第2相試験では、70歳以上の患者で奏効割合が43%、全生存期間中央値が13.6ヵ月と良好な傾向にあった。IFCTでは、70歳〜89歳の進行非小細胞肺癌患者を対象に、単剤療法またはプラチナ併用療法に対する優越性を検証する多施設共同ランダム化第3相試験を実施した。

シェーマ

高齢者進行非小細胞肺癌451例を対象に、非盲検下でVNRまたはGEM単剤群とweekly PTX+CBDCA群へ1:1で無作為化された。

IFCT-0501 試験シェーマ

高齢者進行非小細胞肺癌

n=451

非盲検
1:1
R
優越性デザイン

VNR または GEM 群(n=226)

VNR 25 mg/m² day 1, 8 3週間毎
または GEM 1150 mg/m² day 1, 8 3週間毎
5サイクルまで

weekly PTX+CBDCA群(n=225)

PTX 90 mg/m² day 1, 8, 15 4週間毎
CBDCA AUC 6 day 1 4週間毎
4サイクルまで

主な適格基準

年齢 70–89歳

ECOG PS 0–2

化学療法の治療歴がない

登録前3週間以内に放射線療法が施行されていない

統計学的事項

主要評価項目は全生存期間であった。1年生存割合がVNRもしくはGEM群で30%からweekly PTX+CBDCA群で40%へ10%改善すると仮定し、検出力80%、αエラーは両側検定で5%と設定し、520例の登録が必要であると計算された。中間解析は、患者の3分の1が登録された後、予想される死亡数の3分の2の死亡イベントが報告された後に予定された。

試験結果

2回目の中間解析が2009年12月に実施され、weekly PTX+CBDCA群が有効である可能性が示唆されたため、独立データモニタリング委員会の勧告により症例登録が中止された。データカットオフは2010年9月15日で、追跡期間中央値は30.3ヵ月であった。451例が登録され、単剤群には226例、weekly PTX+CBDCA群には225例が割り付けられた。

1. 全生存期間(主要評価項目)

weekly PTX+CBDCA群は、VNRまたはGEM単剤群と比較して全生存期間を有意に延長した。

全症例中央値95%信頼区間
VNR or GEM6.2ヵ月5.3−7.3HR 0.64 (95%CI 0.52−0.78) P<0.0001
weekly PTX+CBDCA10.3ヵ月8.3−12.6

2. 無増悪生存期間

weekly PTX+CBDCA群は、VNRまたはGEM単剤群と比較して無増悪生存期間を有意に延長した。

全症例中央値95%信頼区間
VNR or GEM2.8ヵ月2.6−3.7HR 0.51 (95%CI 0.42−0.62) P<0.0001
weekly PTX+CBDCA6.0ヵ月5.5−6.8

3. 奏効割合

6ヵ月後の奏効割合は、weekly PTX+CBDCA群で27.1%、VNRまたはGEM単剤群で10.2%であった。

全症例6ヵ月後95%信頼区間
VNR or GEM10.2%6.6%−14.9%P<0.0001
weekly PTX+CBDCA27.1%21.4%−33.4%

4. 有害事象

weekly PTX+CBDCA群では、好中球数減少、発熱性好中球減少、血小板数減少などの毒性が多く認められた。

有害事象VNR or GEM(n=225)weekly PTX+CBDCA(n=223)
Grade 3Grade 4Grade 3Grade 4
好中球数減少6.7%5.8%30.9%17.5%
ヘモグロビン減少4.4%0%9.4%0%
発熱性好中球減少1.3%1.3%5.4%4.0%
血小板数減少0.9%0%4.9%1.8%
無力5.8%0%9.0%1.3%
食欲不振0.9%0%4.0%0%
全身状態悪化1.8%0%1.8%0.4%
下痢0.9%0.9%2.7%0%
悪心・嘔吐0.9%0%2.7%0%
肺疾患2.2%0%1.3%0%
感覚神経障害0.4%0%3.1%0%
口内炎0.9%0.9%0.9%0%
便秘0.9%0.9%0.4%0%
呼吸困難0.4%0%0.4%0%
感染0.4%0%0.4%0%
肺塞栓0%0%0%0.9%
気管支炎0%0%0.4%0%
GGT上昇0%0%0.4%0%
表在性静脈炎0%0%0.4%0%

治療関連死:単剤群 3例(1.3%)、weekly PTX+CBDCA群 10例(4.4%)

結語

70歳以上の高齢非小細胞肺癌に対して、weekly PTX+CBDCA療法は毒性が増加したもののVNRもしくはGEM療法と比較し、有意に生存期間を延長することが示された。ただし、VNRもしくはGEM療法が本邦での高齢進行非小細胞肺癌の標準療法であったドセタキセル療法でなかったこと、VNRもしくはGEM療法が5サイクルまでの投与に制限されていたこと、weekly PTX+CBDCA療法の治療関連死が高率であったことから、我が国では実地診療における標準治療としては受け入れられることが難しかった印象がある。

執筆・監修

執筆:厚木市立病院 呼吸器内科 医長 田村 休応 先生 監修:国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医員 大熊 裕介 先生

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