Clinical Trial

SHARP

肝細胞癌

Sorafenib in Advanced Hepatocellular Carcinoma.

Llovet JM, Ricci S, Mazzaferro V, et al. N Engl J Med. 2008 ; 359: 378-90. [PubMed]

第3相一次治療Published
PubMed

主要結果サマリ

主要評価項目OS / TTSP
OS中央値10.7 vs 7.9ヶ月
OS HR0.69
1年生存割合44% vs 33%
画像上の増悪5.5 vs 2.8ヶ月
病勢制御割合43% vs 32%

基本情報

項目内容
対象疾患肝細胞癌
治療ライン一次治療
研究の相第3相
主要評価項目全生存期間、症状増悪までの期間
実施地域国際
日本の参加なし
試験名SHARP
レジメンSorafenib vs プラセボ
登録期間2005年3月〜2006年4月

背景

進行肝細胞癌の予後はきわめて不良であり、進行肝細胞癌患者の生存期間を改善した全身療法は報告されていなかった。ソラフェニブは腫瘍血管新生を阻害するチロシンキナーゼ阻害剤であり、Child-Pugh分類AまたはBの症例を対象とした第2相試験においてソラフェニブ単独投与での有効性が示唆された。そこで今回、大規模無作為化第3相プラセボ対照二重盲検試験(SHARP試験)を実施し、進行肝細胞癌患者におけるソラフェニブ単独投与の有効性と安全性を評価した。

シェーマ

SHARP シェーマ

進行肝細胞癌
n=608
R
盲検化 / 1:1 / 優越性試験
ソラフェニブ単独(n=299)
Sorafenib 800 mg/day
プラセボ(n=303)
主な適格基準
1)進行肝細胞癌
2)ECOG PS 0-2
3)Child-Pugh A

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間、症状増悪までの期間

本試験の主要評価項目は全生存期間および症状増悪までの期間とした。全生存期間については期待値40%、片側α=0.02(症状増悪までの期間については片側α=0.005)、検出力90%として設計したところ、560例の登録が必要とされた。

試験結果

2005年3月10日から2006年4月11日までに902例がスクリーニングされ、602例が登録・無作為化され、299例がソラフェニブ群に、303例がプラセボ群に割り付けられた。

患者背景に大きな隔たりはなかった。

2006年10月17日をデータカットオフとして、321例の死亡が発生した時点で当初より計画されていた2回目の中間解析を実施したところ、ソラフェニブ群における有意な生存ベネフィットが認められたため、独立データ安全性モニタリング委員会は2007年2月時点で臨床試験を終了するよう勧告した。

1. 全生存期間(主要評価項目)

中央値95%信頼区間
ソラフェニブ(n=299)10.7ヶ月9.4-13.3HR 0.69
(95%C.I. 0.55-0.87)
P <0.001
プラセボ(n=303)7.9ヶ月6.8-9.1

2. 1年生存割合

1年生存割合
ソラフェニブ(n=299)44%P=0.009
プラセボ(n=303)33%

3. 症状増悪までの期間(主要評価項目)

中央値95%信頼区間
ソラフェニブ(n=299)4.1ヶ月3.5-4.8HR 1.08
(95%C.I. 0.88-1.31)
P=0.77
プラセボ(n=303)4.9ヶ月4.2-6.3

4. 画像上の増悪までの期間

中央値95%信頼区間
ソラフェニブ(n=299)5.5ヶ月4.1-6.9HR 0.58
(95%C.I. 0.45-0.74)
P<0.001
プラセボ(n=303)2.8ヶ月2.7-3.9

5. 病勢制御割合

病勢制御割合
ソラフェニブ(n=299)43%(PR 2%、SD 71%)P=0.002
プラセボ(n=303)32%(PR 1%、SD 67%)

6. 有害事象(NCI-CTCAE ver.3.0)

ソラフェニブ(n=297)プラセボ(n=302)
全GradeGrade 3Grade 4全GradeGrade 3Grade 4
疲労22%3%1%16%3%<1%
体重減少9%2%01%00
脱毛14%0%0%2%0%0%
皮膚乾燥8%004%00
手足皮膚反応21%8%0%3%<1%0
そう痒症8%007%<1%0
皮疹/落屑16%1%0%11%0%0%
その他の皮膚事象5%1%01%00
食欲不振14%<1%0%3%1%0%
下痢39%8%0%11%2%0
悪心11%<1%0%8%1%0%
嘔吐5%1%03%1%0
嗄声6%001%00
高血圧5%2%02%1%0
肝機能障害<1%<1%0000
腹痛(詳細不明)8%2%03%1%0
出血7%1%04%1%<1%

結語

ソラフェニブは、進行肝細胞癌を対象とした第3相試験において、プラセボと比較し、初めて全生存期間を有意に延長することを示した。

執筆・監修

執筆:千葉大学病院 臨床試験部 特任助教 小笠原 定久 先生 監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科(肝胆膵) 部長 上野 誠 先生

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