Clinical Trial

ROAR basket trial

胆道癌

Dabrafenib plus trametinib in patients with BRAF V600E-mutated biliary tract cancer (ROAR): a phase 2, open-label, single-arm, multicentre basket trial

Vivek Subbiah, et al. Lancet Oncol. 2020 Sep;21(9):1234-1243. [PubMed]

第2相二次治療以降Published
PubMed

主要結果サマリ

ORR(中央判定)47%
OS中央値14ヶ月
PFS中央値9ヶ月

背景

ダブラフェニブ(DAB)はBRAF V600E遺伝子変異を標的とした分子標的薬であり、BRAF V600E遺伝子変異陽性の悪性黒色腫においてすでに有用性が示されており、MEK阻害剤であるトラメチニブ(TRA)との併用療法が、悪性黒色腫において標準療法の1つとなっている。BRAF V600E遺伝子変異陽性であれば、他癌種においてもDABとTRAの併用療法の有効性が期待され、実際に未分化甲状腺癌、および非小細胞肺癌では有効性が示されている。胆道癌におけるBRAF V600E遺伝子変異陽性率は5~7%と報告され、予後不良である胆道癌においても、BRAF V600E遺伝子変異は治療標的として期待されている。ROAR basket trialはBRAF V600E遺伝子変異陽性固形癌に対するDAB+TRA併用療法の第2相試験であり、胆道癌コホートの結果が発表された。

シェーマ

ROAR basket trial シェーマ

BRAF V600E 変異を有する
進行、再発胆道癌
(n=43)
非盲検
ダブラフェニブ 150mg 1日2回経口投与
+
トラメチニブ 2mg 1日1回経口投与
主な適格基準
18歳以上
ECOG 0-2
ゲムシタビンベースの化学療法に不耐、不応
ビリルビン値が正常値の3倍以下

統計学的事項

主要評価項目:奏効割合

主要評価目的はRECISTv1.1に基づく中央判定、ならびに施設判定の奏効割合であり、1次コホートは最大25例を登録するように計画された。期待奏効割合を50%、ヒストリカルコントロールにおける閾値奏効割合を10%、検出力84-98%、α<0.05と設定された。

試験結果

2014年3月から2018年7月までの間に、626人の胆道癌患者を対象に、BRAF V600E変異のプレスクリーニングを実施し、57人のBRAF V600E変異を有する胆道癌患者が同定され、そのうち43人が本試験に登録された。観察期間中央値は10か月であった。

原発は肝内胆管39人(91%)、胆嚢1人(2%)、肝門部領域1人(2%)であった。

1. 奏効割合(主要評価項目)

DAB+TRA95%信頼区間
中央判定20人(47%)31-62%
施設判定22人(51%)36-67%

2. 全生存期間

中央値95%信頼区間
DAB+TRA14ヶ月10-33ヶ月

3. 無増悪生存期間

中央値95%信頼区間
DAB+TRA9ヶ月5-10ヶ月

4. 有害事象(CTCAE ver.4.0)

Grade3以上が5%以上出現した主なものを以下に記載する。

DAB+TRA(N=43)
有害事象Grade 1-2Grade 3以上
GGT上昇7(16%)5(12%)
白血球減少7(16%)3(7%)
高血圧2(5%)3(7%)
低ナトリウム血症2(5%)3(7%)
AST上昇9(21%)2(5%)
ALP上昇7(16%)2(5%)
高血糖6(14%)2(5%)
胆管炎2(5%)2(5%)
体重減少2(5%)2(5%)
ビリルビン上昇1(2%)2(5%)
好中球減少1(2%)2(5%)
GGT:γ-グルタミルトランスフェラーゼ
重篤な有害事象は17人(40%)そのうちで9人(21%)が治療に関連と考えられた(最も多かったのは発熱で、8人(19%)で発生した)。2人(5%)が敗血症で死亡したが、これは本試験の治療と因果関係なしと判断された。

結語

BRAF V600E遺伝子変異陽性胆道癌に対して、DAB+TRA併用療法は忍容可能な毒性と有望な治療効果が認められた。この結果から、進行、再発胆道癌において、BRAF V600Eは検索すべき遺伝子変異であると言える。

執筆・監修

執筆:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 がん専門修練医 大鶴 徹 先生 監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 部長 上野 誠 先生

関連論文

  1. Robert C, et al. Improved overall survival in melanoma with combined dabrafenib and trametinib, N Engl J Med. 372(1): 30-39, 2015.

  2. Siegel RL, et al. Cancer statistics, 2015, CA Cancer J Clin. 65(1): 5-29, 2015.

  3. Valle J, et al. Cisplatin plus gemcitabine versus gemcitabine for biliary tract cancer, N Engl J Med. 362(14): 1273-1281, 2010.

Trial Pulse

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