Clinical Trial

HIMALAYA update

肝細胞癌

Five-year overall survival update from the HIMALAYA study of tremelimumab plus durvalumab in unresectable HCC

Rimassa L, Chan SL, Sangro B, et al. J Hepatol. 2025 Oct;83(4):899-908. [PubMed]

UPDATED第3相・5年OSアップデート一次治療Published
PubMed

主要結果サマリ

解析5年OS update
OS HR0.76
60ヶ月OS率19.6% vs 9.4%
DCR例60ヶ月OS28.7% vs 12.7%
腫瘍縮小>25%50.7% vs 26.3%
長期生存例21.1% vs 11.6%

基本情報

項目内容
対象疾患切除不能肝細胞癌
治療ライン一次治療
研究の相第3相・5年OSアップデート
主要評価項目全生存期間
実施地域国際
日本の参加あり
試験名HIMALAYA
レジメンSTRIDE vs ソラフェニブ
データカットオフ2024年3月1日

背景

HIMALAYA試験は、全身薬物療法歴のない切除不能肝細胞癌を対象に、STRIDEレジメン(トレメリムマブ300mg 1回+デュルバルマブ1500mg 4週毎)、デュルバルマブ単剤、ソラフェニブを比較した国際共同、非盲検、第3相試験である。主要解析では、STRIDE群はソラフェニブ群に対して全生存期間を有意に改善し、デュルバルマブ単剤はソラフェニブに対して非劣性を示した。

本論文では、HIMALAYA試験の5年追跡アップデートとして、長期全生存期間、腫瘍縮小・病勢コントロールと長期生存の関連、長期生存例の特徴、安全性が探索的に解析された。

試験デザイン

HIMALAYA試験では、1,171例の切除不能肝細胞癌患者がSTRIDE群(n=393)、デュルバルマブ単剤群(n=389)、ソラフェニブ群(n=389)に無作為化された。

5年アップデート解析では、現在標準治療の一つであるSTRIDEレジメンを中心に、主にSTRIDE群とソラフェニブ群の長期全生存期間が評価された。データカットオフは2024年3月1日であった。

解析対象・追跡期間

5年時点で追跡継続中であった患者は、STRIDE群で78/393例(19.8%)、ソラフェニブ群で38/389例(9.8%)であった。試験治療を継続中であった患者は、STRIDE群で20/393例(5.1%)、ソラフェニブ群で6/389例(1.6%)であった。

追跡期間中央値は、STRIDE群で62.49ヶ月、ソラフェニブ群で59.86ヶ月であった。安全性解析対象は、STRIDE群388例、ソラフェニブ群374例であった。

1. 全生存期間(5年アップデート)

OS eventOS中央値追跡中央値
STRIDE群(n=393)309 (78.6%)16.43ヶ月
(95%C.I. 14.16-19.58)
62.49ヶ月
(95%C.I. 59.47-64.79)
HR 0.76
(95%C.I. 0.65-0.89)
p=0.0008
ソラフェニブ群(n=389)332 (85.3%)13.77ヶ月
(95%C.I. 12.25-16.13)
59.86ヶ月
(95%C.I. 58.32-61.54)
OS率STRIDE群ソラフェニブ群
18ヶ月OS率48.7%41.5%
24ヶ月OS率40.5%32.6%
36ヶ月OS率30.7%19.9%
48ヶ月OS率25.2%15.1%
60ヶ月OS率19.6%9.4%

2. 病勢コントロール別の60ヶ月OS率

病勢コントロール例STRIDE群ソラフェニブ群
対象例数236例236例
36ヶ月OS率44.6%28.0%
48ヶ月OS率36.3%20.2%
60ヶ月OS率28.7%12.7%

3. 腫瘍縮小別の60ヶ月OS率

腫瘍径変化n36ヶ月OS率48ヶ月OS率60ヶ月OS率
腫瘍増大 ≥20%7411.9%9.9%5.3%
腫瘍増大 <20%7421.1%12.3%8.8%
腫瘍縮小 <30%10424.7%19.7%11.1%
腫瘍縮小 ≥30-<50%4153.1%39.1%30.7%
腫瘍縮小 ≥50-100%6275.7%70.6%63.4%
Depth of responseSTRIDE nSTRIDE
60ヶ月OS
Sorafenib nSora
60ヶ月OS
25%超〜50%未満の腫瘍縮小4632.0%2424.1%
50%超〜75%未満の腫瘍縮小3457.8%1232.1%
75%超〜100%未満の腫瘍縮小1283.3%2NR
100%腫瘍縮小1564.6%10.0%
25%超の腫瘍縮小 全体10750.7%3926.3%

4. Extended long-term survivors

48ヶ月以上生存例STRIDE群ソラフェニブ群
48ヶ月以上生存例83/393 (21.1%)45/389 (11.6%)
ORR51/83 (61.4%)7/45 (15.6%)
CR10/83 (12.0%)0
PR41/83 (49.4%)7/45 (15.6%)
SD23/83 (27.7%)30/45 (66.7%)

5. 安全性

安全性STRIDE群ソラフェニブ群
安全性解析対象n=388n=374
重篤な治療関連有害事象68 (17.5%)37 (9.9%)
重篤な有害事象164 (42.3%)113 (30.2%)
STRIDE群の新たな遅発性TR-SAE初回解析以降、新たな治療関連重篤有害事象は認められなかった

結語

HIMALAYA試験の5年アップデートでは、STRIDEレジメンはソラフェニブに対して長期的な全生存期間の有用性を維持した。60ヶ月OS率はSTRIDE群19.6%、ソラフェニブ群9.4%であり、STRIDE群では約5人に1人が5年時点で生存していた。

病勢コントロールが得られた症例、および25%を超える腫瘍縮小が得られた症例では、STRIDE群の長期OS率はさらに高かった。これらの結果は、RECIST v1.1による従来の奏効評価だけでは、STRIDEの長期的な臨床的有用性を十分に捉えきれない可能性を示唆する。

安全性については、STRIDE群で初回解析以降に新たな遅発性の治療関連重篤有害事象は報告されなかった。STRIDEレジメンは、切除不能肝細胞癌における5年生存の新たなベンチマークを示した。

執筆

執筆:OncoTribune編集部 池渕貴裕

Trial Pulse

この記事を読んだ先生にお聞きします

関連情報