Clinical Trial

KEYNOTE-407

肺癌

Pembrolizumab plus Chemotherapy for Squamous Non–Small-Cell Lung Cancer

Paz-Ares L, et al. N Engl J Med. 2018;379:2040-2051.

第3相一次治療PublishedUpdated Jun 2026
PubMed

主要結果サマリ

OS中央値15.9 / 11.3ヶ月
OS HR0.64
PFS中央値6.4 / 4.8ヶ月
PFS HR0.56
客観的奏効割合57.9% / 38.4%
Grade3以上AE69.8% / 68.2%

背景

プラチナ併用化学療法もしくは抗PD-1抗体であるペムブロリズマブ(Pemb)単剤療法(PD-L1発現スコア(TPS)≧50%の場合)が扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の標準初回治療となっている。非扁平上皮NSCLCの一次治療では、Pembとプラチナ併用化学療法の併用が全生存期間を延長させることが示されているが、扁平上皮NSCLCでは、Pembとプラチナ併用化学療法を併用する有効性は示されていない。本試験では、扁平上皮NSCLCに対してPembとプラチナ併用化学療法を併用する有効性を検証した第3相試験である。

シェーマ

KEYNOTE-407 試験シェーマ
扁平上皮非小細胞肺癌
n=559
二重盲検
R
1:1
カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル+ペムブロリズマブ(n=278)
カルボプラチン AUC6 day1
パクリタキセル 200mg/m² day1 または nab-パクリタキセル 100mg/m² day1, 8, 15
ペムブロリズマブ 200mg day1
3週間毎 最大4サイクル
→ペムブロリズマブ
※ペムブロリズマブは最大35サイクルまで維持治療可
カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル+プラセボ(n=281)
カルボプラチン AUC6 day1
パクリタキセル 200mg/m² day1 または nab-パクリタキセル 100mg/m² day1, 8, 15
プラセボ
3週間毎 最大4サイクル
→プラセボ
主な適格基準
stage IV
前治療がない
18歳以上
ECOG PS 0-1
※維持療法としてペムブロリズマブまたはプラセボを病勢進行または有害事象で中止となるまで使用する。病勢進行後のペムブロリズマブへのクロスオーバー可。
層別化因子:PD-L1 TPS(≧1%、<1%)、タキサン系薬剤(パクリタキセル、nab-パクリタキセル)、登録施設の地域(東アジア、東アジア以外)

統計学的事項

主要評価項目: 本試験の主要評価項目は、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は、客観的奏効割合、奏効期間、安全性とした。また、PD-L1発現割合に応じたPFSとOS、客観的奏効割合を探索的に評価した。有効性は治療群に割り振られたすべての症例(intention-to treat population)、安全性は少なくとも1回以上割り付けられた治療を受けたすべての症例(as-treated population)で評価した。OS、PFS、奏効期間の推定にKaplan-Meier法を使用し、OSとPFSの比較に層別ログランク検定を使用した。ハザード比の算出には層別化Cox比例ハザードモデルを使用した。

本試験では、560例中415例で病勢進行または死亡のイベントが発生した場合、片側α0.01で病勢進行または死亡のハザード比0.70を検出力90%で検出し、361例で死亡のイベントが発生した場合、片側α0.01で死亡のハザード比0.70を検出力85%で検出できるデザインとした。

本試験では、中間解析を2回、最終解析を1回行う予定であったが、長期の治療効果を明らかにするために、中間解析を3回、最終解析を1回行うデザインに変更された。

2018年5月21日をカットオフとした2回目の中間解析でOS及びPFSの有効性が示され、本論文は2回目の中間解析の結果である。

試験結果

2016年8月19日~2017年12月28日に125施設の559症例が無作為化され、Pemb併用群に278例、プラセボ併用群に281例が割り付けられた。

PD-L1発現スコア(TPS)≧1%は63.1%、パクリタキセルを使用した症例は60.1%、東アジア人は19.0%であった。

追跡期間の中央値は7.8か月(0.1-19.1か月)であった。

Pemb併用群とプラセボ併用群において患者背景に違いは認めなかった。

後治療として、プラセボ併用群のうち75例がPemb単剤へクロスオーバーされ、14例は本試験外でPD-1/L1抗体が投与された。

1. OS(主要評価項目)

PD-L1発現スコアのサブグループ解析における12ヵ月生存割合は、PD-L1 TPS 50%≧でPemb併用群63.4% vs プラセボ併用群51.0%(ハザード比0.64(95%信頼区間:0.37-1.10))、1-49%で65.9% vs 50.0%(ハザード比0.57(95%信頼区間:0.36-0.90))、1%未満で64.2% vs 43.3%(ハザード比0.61(95%信頼区間:0.38-0.98))であった。

群中央値95%信頼区間
Pemb併用群15.9ヶ月13.2ヶ月–NR*HR 0.64 (95%信頼区間:0.49–0.85) P<0.001
プラセボ併用群11.3ヶ月9.5–14.8ヶ月

*NR: Not Reached

2. PFS(主要評価項目)

PD-L1発現スコアのサブグループ解析におけるPFSの中央値は、PD-L1 TPS 50%≧でPemb併用群8.0か月 vs プラセボ併用群4.2か月(ハザード比0.37(95%信頼区間:0.24-0.58))、1-49%の群で7.2か月 vs 5.2か月(ハザード比0.57(95%信頼区間:0.39-0.80))、1%未満で6.3か月 vs 5.3か月(ハザード比0.68(95%信頼区間:0.47-0.98))であった。

群中央値95%信頼区間
Pemb併用群6.4ヶ月6.2–8.3ヶ月HR 0.56 (95%信頼区間:0.45–0.70) P<0.001
プラセボ併用群4.8ヶ月4.3–5.7ヶ月

3. 客観的奏効割合

群中央値95%信頼区間
Pemb併用群57.9%51.9–63.8%
プラセボ併用群38.4%32.7–44.4%

4. 奏効期間

群奏効期間中央値範囲
Pemb併用群7.7ヶ月1.1+*–14.7+ヶ月
プラセボ併用群4.8ヶ月1.3+–15.8+ヶ月

*「+」はデータカットオフの時点で病勢増悪がみられないことを示す

5. 有害事象

有害事象Pemb併用群(N=278)プラセボ併用群(N=280)
Any GradeGrade 3-5Any GradeGrade 3-5
全ての有害事象273(98.2%)194(69.8%)274(97.9%)191(68.2%)
すべての治療薬剤の中止につながった有害事象37(13.3%)34(12.2%)18(6.4%)18(6.4%)
治療薬剤の一部が中止になった有害事象65(23.4%)54(19.4%)33(11.8%)29(10.4%)
ペムブロリズマブまたはプラセボが中止になった有害事象48(17.3%)44(15.8%)22(7.9%)21(7.5%)
カルボプラチンが中止になった有害事象31(11.2%)28(10.1%)21(7.5%)19(6.8%)
パクリタキセルまたはnab-パクリタキセルが中止になった有害事象44(15.8%)33(11.9%)28(10.0%)24(8.6%)
死亡につながった有害事象23(8.3%)23(8.3%)18(6.4%)18(6.4%)
観察者が治療レジメンによって死亡につながったと判断した有害事象10(3.6%)10(3.6%)6(2.1%)6(2.1%)
15%以上に生じた有害事象
貧血148(53.2%)43(15.5%)145(51.8%)57(20.4%)
脱毛128(46.0)1(0.4%)102(36.4%)3(1.1%)
好中球減少症105(37.8%)63(22.7%)92(32.9%)69(24.6%)
悪心99(35.6%)3(1.1%)90(32.1%)4(1.4%)
血小板減少症85(30.6%)19(6.8%)65(23.2%)18(6.4%)
下痢83(29.9%)11(4.0%)65(23.2%)6(2.1%)
食欲不振68(24.5%)6(2.2%)82(29.3%)5(1.8%)
便秘64(23.0%)2(0.7%)61(21.8%)3(1.1%)
疲労63(22.7%)9(3.2%)72(25.7%)11(3.9%)
衰弱60(21.6%)6(2.2%)59(21.1%)10(3.6%)
関節痛57(20.5%)4(1.4%)40(14.3%)2(0.7%)
末梢性ニューロパチー57(20.5%)3(1.1%)45(16.1%)2(0.7%)
嘔吐45(16.2%)1(0.4%)33(11.8%)6(2.1%)
咳嗽37(13.3%)2(0.7%)47(16.8%)3(1.1%)
呼吸困難36(12.9%)4(1.4%)45(16.1%)3(1.1%)
免疫関連有害事象
すべての免疫関連有害事象80(28.8%)30(10.8%)24(8.6%)9(3.2%)
甲状腺機能低下症22(7.9%)1(0.4%)5(1.8%)0
甲状腺機能亢進症20(7.2%)1(0.4%)2(0.7%)0
肺臓炎18(6.5%)7(2.5%)6(2.1%)3(1.1%)
インフュージョン・リアクション8(4.1%)4(1.4%)6(2.1%)1(0.4%)
大腸炎7(2.5%)6(2.2%)4(1.4%)3(1.1%)
肝炎5(1.8%)5(1.8%)00
重症皮膚反応5(1.8%)3(1.1%)1(0.4%)1(0.4%)
下垂体炎3(1.1%)2(0.7%)00
甲状腺炎3(1.1%)1(0.4%)00
腎炎2(0.7%)2(0.7%)2(0.7%)2(0.7%)

結語

進行期扁平上皮NSCLC患者の一次治療において、カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル+Pembは、カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル+プラセボと比較してPFS及びOSを有意に延長した。

執筆・監修

執筆:横浜市立大学附属病院 呼吸器病学教室 久保 創介 先生 監修:静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科 医長 和久田 一茂 先生

Trial Pulse

この記事を読んだ先生にお聞きします

関連情報