Clinical Trial
LEAP-012
肝細胞癌
Transarterial chemoembolisation combined with lenvatinib plus pembrolizumab versus dual placebo for unresectable, non-metastatic hepatocellular carcinoma (LEAP-012): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study
Kudo M, Ren Z, Guo Y, et al. Lancet. 2025;405:203-215. [PubMed]
主要結果サマリ
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象疾患 | 切除不能・非転移性肝細胞癌 |
| 治療ライン | TACE適応・根治治療不適 |
| 研究の相 | 第3相 |
| 主要評価項目 | PFS(BICR, RECIST v1.1)/ OS |
| 実施地域 | 国際(33の国または地域、137施設) |
| 日本の参加 | あり |
| 試験名 | LEAP-012 |
| レジメン | TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ vs TACE+プラセボ |
| 登録期間 | 2020年5月〜2023年1月 |
背景
TACEは、切除不能・非転移性の中間期肝細胞癌に対する標準治療として位置づけられてきた。一方で、TACE単独では十分な臨床的利益が得られない患者も存在し、TACEに全身療法を組み合わせる治療戦略が検討されてきた。
レンバチニブはVEGFR 1–3、FGFR 1–4などを阻害するマルチキナーゼ阻害薬であり、ペムブロリズマブは抗PD-1抗体である。TACEによる局所治療に、抗血管新生作用および免疫チェックポイント阻害を組み合わせることで、TACE単独を上回る有効性が期待され、本試験が実施された。
シェーマ
LEAP-012 シェーマ
1:1
ペムブロリズマブ 400mg 6週毎、最長2年間
TACE:施設規定のcTACEまたはDEB-TACE
TACE:施設規定のcTACEまたはDEB-TACE
統計学的事項
主要評価項目:PFS(BICR, RECIST v1.1)およびOS
本試験では、RECIST v1.1に基づく盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)およびITT集団における全生存期間(OS)をdual primary endpointとした。PFSの有意水準は片側p=0.025、OSの有意水準は片側p=0.0012とされた。
副次評価項目には、BICR判定mRECISTおよびRECIST v1.1によるPFS、奏効割合、病勢制御割合、奏効期間、増悪までの期間、安全性などが含まれた。
試験結果
2020年5月22日から2023年1月11日までに847例がスクリーニングされ、そのうち480例が無作為化された。TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ群に237例、TACE+プラセボ群に243例が割り付けられ、ITT集団を構成した。
年齢中央値は66歳で、男性398例(83%)、女性82例(17%)であった。人種はアジア人347例(72%)、白人98例(20%)などであった。
以下のPFS・OS数値は、データカットオフ2024年1月30日、追跡期間中央値25.6ヶ月の初回解析に基づく。
1. 無増悪生存期間(主要評価項目)
| PFS中央値 | イベント数 | ||
|---|---|---|---|
| TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ(n=237) | 14.6ヶ月 (12.6–16.7) | 132件 死亡20件、増悪112件 | HR 0.66 (0.51–0.84) 片側p=0.0002 |
| TACE+プラセボ(n=243) | 10.0ヶ月 (8.1–12.2) | 154件 死亡8件、増悪146件 |
2. 全生存期間(主要評価項目)
| 死亡例 | 24ヶ月OS率 | ||
|---|---|---|---|
| TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ(n=237) | 69例(29%) | 75% (68–80) | HR 0.80 (0.57–1.11) 片側p=0.087 |
| TACE+プラセボ(n=243) | 82例(34%) | 69% (62–74) |
3. 有害事象
| TACE+レンバチニブ +ペムブロリズマブ n=237 | TACE+プラセボ n=241 | |
|---|---|---|
| Grade 3以上TRAE | 169例(71%) | 76例(32%) |
| 高血圧 | 57例(24%) | 18例(7%) |
| 血小板数減少 | 27例(11%) | 15例(6%) |
| 治療関連死亡 | 4例(2%) | 1例(<1%) |
2025年10月29日 追跡更新
MerckとEisaiは、後続の事前規定中間解析においてOSが統計学的有意差に到達しなかったと発表した。将来の解析でプロトコル規定の統計学的有意差の閾値へ到達する可能性も低いと判断され、試験を終了するとしている。PFSの改善は追加追跡でも一貫していた。
安全性上の注意点
Grade 3以上の治療関連有害事象は、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ群で71%、TACE+プラセボ群で32%に認められた。主なGrade 3以上の治療関連有害事象は高血圧および血小板数減少であった。
治療関連死亡は、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ群で4例、TACE+プラセボ群で1例に報告された。
結語
LEAP-012試験では、切除不能・非転移性肝細胞癌でTACE適応となる患者において、TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブはTACE+プラセボと比較してPFSを有意に延長した。一方、2025年10月29日公表の後続中間解析でもOSは統計学的有意差に到達せず、将来の解析で規定閾値へ到達する可能性は低いと判断され、試験終了が発表された。
執筆・監修
執筆:OncoTribune編集部 池渕貴裕 監修:
Trial Pulse
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