Clinical Trial

REVEL

肺癌

Ramucirumab plus docetaxel versus placebo plus docetaxel for second-line treatment of stage IV non-small-cell lung cancer after disease progression on platinum-based therapy (REVEL): a multicentre, double-blind, randomised phase 3 trial

Garon E, Ciuleanu T, Arrieta O, et al. Lancet. 2014;384(9944):665-73.

第3相二次治療PublishedUpdated Jun 2026
PubMed

主要結果サマリ

OS中央値10.5 / 9.1ヵ月
OS HR0.86
PFS中央値4.5 / 3.0ヵ月
PFS HR0.76
奏効割合23% / 14%
病勢制御割合64% / 53%

背景

IV期非小細胞肺癌の二次治療として承認されていたドセタキセル(DOC)とペメトレキセドの奏効割合は10%に満たず、無増悪生存期間(PFS)中央値は4カ月未満、生存期間(OS)中央値も7-9カ月と効果は満足すべきものではなかった。 血管新生阻害剤は、腫瘍の血管新生を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん剤であり、すでに抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体であるベバシズマブの進行期非扁平上皮肺癌に対する有効性が示されている。ラムシルマブ(RAM)は血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体であり、VEGFR-2の細胞外ドメインに高い親和性で特異的に結合し、VEGFリガンドが受容体に結合することを阻害する血管新生阻害剤である。 本試験は、プラチナ併用療法既治療のIV期非小細胞肺癌の二次治療における、RAM+DOC併用療法のDOC単剤に対するOSの優越性を検証するための多施設二重盲検比ランダム化第3相比較試験である。

シェーマ

REVEL試験シェーマ
既治療IV期非小細胞肺癌
n=1253
盲検
1:1
R
優越性試験
ラムシルマブ+ドセタキセル治療群(n=628)
RAM 10mg/kg+DOC 75mg/m²
点滴静注 day1 3週毎
ドセタキセル治療群(n=625)
DOC 75mg/m²
1時間点滴静注 day1 3週毎
※DOCの投与量について:発熱性好中球減少症が東アジア(台湾、韓国)で多くみられたため、この地域でのDOCの使用量は75mg/m²から60mg/m²に減量された。
※層別化因子:PS、性別、前治療の維持療法の有無、地域(東アジア vs その他の地域)
主な適格基準
1次治療にプラチナ併用療法を実施している
術後補助化学療法、術前化学療法後の再発や局所進行非小細胞肺癌に対する化学放射線治療後の再発も登録可
PS 0-1
主な除外基準
大血管への浸潤、腫瘍内空洞形成
コントロール不良な高血圧症(≧150mmHg/≧90mmHg)
消化管穿孔や消化管瘻
6カ月以内の動脈血栓塞栓症、2カ月以内の喀血、3カ月以内のGrade3-4の消化管出血

統計学的事項

主要評価項目:OS 副次的評価項目:PFS、奏効割合

DOC群を対照として、RAM+DOC群のOSのハザード比(HR)が0.816となる(OS中央値;RAM+DOC群:9.2ヵ月、DOC群:7.5ヵ月)と仮定した。これを片側α 0.025、検出力85%で示すためには869の死亡イベントが必要と計算され、打ち切りを考慮して1242例の登録が計画された。 また主要評価項目、副次的評価項目の解析にはGate-Keeping法を用い、全体のtype Iエラーが両側α=0.05となるように制御した。 OSの有意差が示されればPFSについて解析し、PFSに有意差が示されれば奏効割合について解析するように計画された。

試験結果

2010年12月3日から2013年1月24日の間に1253名の患者がランダム化され、628名がRAM+DOC群に、625名がDOC群に割り付けられた。 OSの中央値はRAM+DOC群で10.5ヵ月、DOC群で9.1ヵ月であり、HR 0.86(95%CI 0.75-0.98,P=0.023)とRAM+DOC群の優越性が示された。 サブグループ解析では組織型(非扁平上皮癌、扁平上皮癌)に関わらず、RAM+DOC群でOSを延長する傾向が示された。 Gate-Keeping法に基づきPFS、次いで奏効割合についても解析を行い、PFSと奏効割合ともにRAM+DOC群で有意差をもって良好であった。 RAM+DOC群の33%、DOC群の23%において減量が必要な有害事象の発現が認められ、その原因は好中球減少(12% vs 9%)、疲労(9% vs 6%)、発熱性好中球減少症(7% vs 5%)であった。G-CSF製剤やGM-CSFの使用頻度は両群で有意差はなかった(42% vs 37%)。 発熱性好中球減少症が東アジア(台湾と韓国)で多くみられたため、2012年5月から新規登録患者へのDOCの投与量が75mg/m²から60mg/m²に減量された。減量により、東アジアにおける発熱性好中球減少症はRAM+DOC群で44%から0%に、DOC群で12%から8%に減少した。 全グレードの出血関連の副作用はRAM+DOC群で多かった(29% vs 15%)が、Grade3以上の出血の頻度に有意差はなかった。

1. 全生存期間(主要評価項目)

中央値
RAM+DOC(n=628)10.5ヵ月HR 0.86 (95%CI: 0.75–0.98) P=0.023
DOC(n=625)9.1ヵ月

2. 無増悪生存期間

中央値
RAM+DOC(n=628)4.5ヵ月HR 0.76 (95%CI: 0.68–0.86) P<0.0001
DOC(n=625)3.0ヵ月

3. 奏効割合

奏効割合病勢制御割合
RAM+DOC(n=628)23%64%奏効割合 P<0.001
DOC(n=625)14%53%

4. 有害事象(NCI-CTCAE ver4.0)

有害事象
有害事象RAM+DOC(n=627)DOC(n=618)
全グレードグレード≧3全グレードグレード≧3
全有害事象98%79%95%71%
疲労55%14%49%10%
食欲不振29%2%25%1%
下痢32%5%27%3%
悪心27%1%27%1%
脱毛症26%NA25%NA
口内炎23%4%13%2%
神経障害23%3%20%2%
呼吸困難22%4%24%8%
咳嗽21%<1%20%1%
発熱17%<1%13%<1%
末梢性浮腫16%0%8%<1%
便秘16%<1%17%1%
粘膜炎症16%3%7%<1%
嘔吐14%1%14%2%
流涙増加13%<1%4%0%
筋肉痛12%1%10%1%
関節痛11%1%8%1%
背部痛11%1%8%<1%
腹痛11%1%10%1%
味覚異常11%NA7%NA
不眠症11%<1%8%<1%
頭痛11%<1%11%1%
血液毒性
有害事象RAM+DOC(n=627)DOC(n=618)
全グレードグレード≧3全グレードグレード≧3
好中球数減少55%49%45%39%
白血球減少21%14%19%12%
貧血21%3%28%6%
発熱性好中球減少症16%16%10%10%
血小板数減少13%3%5%1%
特に注目すべき有害事象
有害事象RAM+DOC(n=627)DOC(n=618)
全グレードグレード≧3全グレードグレード≧3
出血29%2%15%2%
鼻出血19%<1%6%<1%
消化管出血3%1%2%<1%
肺出血8%1%7%1%
喀血6%1%5%1%
高血圧11%6%5%2%
注入に伴う反応4%1%4%1%
蛋白尿3%<1%1%0%
静脈血栓塞栓症3%2%6%3%
腎不全2%<1%2%<1%
動脈血栓塞栓症2%1%2%1%
うっ血性心不全1%1%1%<1%
消化管穿孔1%1%<1%<1%

5. サブグループ解析(OS)

RAM+DOC 生存期間DOC 生存期間HR(95%CI)P値
組織型非扁平上皮癌(n:465 vs 447)11.1ヵ月9.7ヵ月HR 0.830 (0.708–0.972)0.020
扁平上皮癌(n:157 vs 171)9.5ヵ月8.2ヵ月HR 0.883 (0.692–1.127)0.319
一次治療の奏効CR/PR/SD11.2ヵ月10.3ヵ月HR 0.84 (0.71–0.99)
PD8.3ヵ月6.3ヵ月HR 0.86 (0.68–1.08)

結語

本試験はDOC単剤治療に対するRAM+DOC併用療法のOSにおける優越性を証明した試験である。10年以上に渡り二次治療の標準治療であったDOC単剤治療に対し、初めて優越性を示し、扁平上皮癌を含めた非小細胞肺癌における血管新生阻害剤の有効性が示された。 血管新生阻害剤治療による有害事象のリスクが高い患者を適切に除外することで、重度な出血に関連する有害事象を増加させることなく治療を行うことが可能であった。 RAM+DOC併用療法はDOC単剤治療に代わる2次治療の標準治療となり得る。

執筆・監修

執筆:横浜市立大学附属病院 呼吸器内科学 堂下 皓世 先生 監修:順天堂大学大学院 医学研究科 呼吸器内科学 助教 朝尾 哲彦 先生

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